予定

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東京大学大学院 情報学環(駒場)

  対話による複雑系研究会(第1回)のお知らせ

「複雑系科学の観点から世界はどう見えるか」をテーマとした対話型の研究会を
企画いたしました。「人を招いて喋ってもらって話を聞く」という形ではなく、
登壇者の研究を題材として対話を創り出してゆくというスタイルを採用いたします。

第一回の今回は、時田恵一郎氏・池上高志氏・深見理氏という豪華メンバーで構
成いたしました。登壇者のお三方には、観客のことは考えないで、お互の対話を
進めるために御報告いただき、対話を重視するようにお願いしております。三つ
巴の対話のなかで、生態系の挙動の複雑さという問題を捉えるための視座を探求
する現場を見せていただこうと考えています。皆様のご参加をお待ちしております。

東京大学情報学環 安冨歩
yasutomi@ask.c.u-tokyo.ac.jp

場所:場所:東京大学駒場キャンパス17号棟2階中演習室II
   → 東京大学駒場キャンパス正門左手の情報教育棟4階 遠隔講義室 に変更
時間:4月27日 午後1時〜4時


イントロダクション 安冨歩(東京大学大学院情報学環)

報告者: 時田恵一郎(大阪大学サイバーメディアセンター)
タイトル:複雑性ー安定性論争:複雑系を安定化する本質的な要因は何か?

報告者:池上高志(東京大学総合文化研究科)
タイトル:ダイナミック・ネットワーク

報告者: 深見 理(ニュージーランド・ランドケアリサーチ;東京大学生物多
様性科学研究室)
タイトル:形成履歴から群集構造を考える



報告者: 時田恵一郎
複雑性ー安定性論争:複雑系を安定化する本質的な要因は何か?

食物網,代謝反応,免疫系などに共通する,大規模生物ネットワークの特徴は,
トポロジーの圧倒的な多様性と複雑性,およびネットワーク上で生起するダイ
ナミクスの恒常的な安定性である.これに対し,例えば,1960年代までの生態
学者たちは,多種が共存する複雑な生態系は,単純なものよりも環境の擾乱に
対して安定に存続できるので,熱帯雨林や珊瑚礁などのように地球上に普遍的
に見いだされると考えていた.しかし,1970年代の理論研究が,「大規模な複
雑系は必ずしも安定ではない」という全く逆の結論を導いて以来,複雑さと安
定性の関係は,現在に至るまで生態学における大きな論争の的となっている.
非常に単純な非線形力学系ですら,カオス的な不安定性を内在しているのにも
関わらず,生物はいかにして複雑なネットワークの恒常性を進化させてきたの
か.講演では,これらの自然界に普遍的に見られる多様化と複雑化の起源と維
持機構を,基礎的な進化方程式の巨視的・大域的な振舞いから理解する試みに
ついて報告する.古典的な理論研究を簡単に振り返ることから始めて,相互作
用の複雑性が多様性と安定性に与える影響に関する最近の研究結果を紹介した
い.


報告者:池上高志
タイトル:ダイナミックネットワーク

要旨: 生態系のネットワークは、本質的にダイナミックに発展し変化するもの
です。それは階層性をもち、時として複雑なダイナミクスによって特徴つけられ
ます。ここでは進化的に獲得されるネットワークの複雑さを題材に、ダイナミッ
クな複雑さがいかに力学系の言葉を用いて理解されるを議論しようと思います。
たとえば、以下の論文などを参考にして議論するつもりです。

1) T. Ikegami, T. Iwata and K. Hashimoto, A Network fo Dynamic
Keystone Species Artificial Life VIII (eds. R.K. Standish,
M.A. Bedau and H.A. Abbass, MIT, 2003) pp. 216-222.
2) K.Hashimoto and T.Ikegami, Heteroclinic Chaos, Chaotic
Itinerancy and Neutral Attractors in Symmetrical Replicator
Equations with Mutations, j. Phys. Soc. Japan. 70 (2001)
pp.349-352.
3) K.Hashimoto and T.Ikegami, Emergence of a New Attracting Set
by a Mixed Strategy in Game Dynamics, j.Phys. Soc. Japan. 11 (2001) pp.
3221-3224.
4) T.Ikegami and K.Kaneko, Genetic Fusion Phys. Rev. Lett. 65
pp.3352-3355. 1990


報告者: 深見 理
タイトル:形成履歴から群集構造を考える

要旨:これまでの理論研究により、様々な種が生物群集に構成員として加わると
きの順序やタイミングによって、最終的に形成される群集の構造が大きく変わり
うることが知られています。私は、こういった群集の形成履歴の影響がその他の
生態学的要因とどのように相互作用して群集構造を決めるかについて、実験的・
理論的な研究を行ってきました。その他の要因として、生態系の生産性、生息地
の大きさ、種の移入頻度、種供給源の大きさに注目してきました。これらは種多
様性の主決定要因として長年研究されてきたものの、群集形成の歴史との関連に
ついては殆ど分かっていませんでした。今回は、これらの研究の主な結果を報告
したいと思います。


© Copyright 2013 Kei Tokita, Powered by Pukiwiki.  Last-modified: Sun, 23 Jun 2013 13:50:22 JST (2340d)   リロード   新規 編集 凍結 差分 添付 複製 改名   トップ 一覧 検索 最終更新 バックアップ   ヘルプ   最終更新のRSS