12月

  • 少年H/妹尾河童/新潮文庫/「"ポツダム宣言受諾"は、理科の実験で使っていたリトマス試験紙のように、信用できる人と信用できない人を今まで以上にハッキリさせてくれた。」
  • 世界の紛争地図/松井茂/新潮文庫/「『民族』『宗教』の表看板に惑わされることなく、裏にある経済利権をあぶり出すことによって、紛争の本質がよりはっきりしてくる。」
  • 日本の国立公園/加藤則芳 /平凡社新書/「ところで、国立公園内の国有林の環境省への移管については、国民、マスコミ、自然保護団体、学者さらには環境族の議員たちの声にもかかわらず、林野庁、林野庁の労働組合、林野族議員たちの猛反対から、実現しなかった。既得権を死守したい、あるいは環境省に森林経営ができるわけがないという強力な圧力から反故にされてしまったのである。」
  • 中坊公平・私の事件簿/中坊公平 /集英社新書/「世の中には真実と道理というものがある。」
  • うるさい日本の私/中島義道 /新潮文庫/「われわれは、他人の苦しみがわかるゆえに他人を意図的に苦しめることができるたぶん地上で唯一の動物である。」
  • 若き数学者のアメリカ/藤原正彦 /新潮文庫/「人間は、少なくとも自分は、何に対して「優しさ」を持つのだろうか。どんな美しさを前にして感動するのだろうか。」
  • 生物学個人授業/岡田節人・南伸坊 /新潮文庫/「生きものについての科学は、歴史の必然ともいえる循環的な動きのなかで、感覚的に生きものの不思議と面白さに、直接接近できる問題を取り上げることの可能な時代へとたどりついた。つまり、「面白い生物学」は戻ってきたのである。しかし、それらの学問としての考究は、統合的にしか実行できないから、それに伴う"つまらなさ"(例えば、個別的な現象のメカニズムの追求よりは、研究の生産性も低い、つまり論文も数多くは書けないし、書いたところで、どこで発表できるのかさえさだかでなはない)が厳然として存在しているだろう。とくに日本における場合、この統合的な傾向の学問の推進には、必然としての多大の歴史的(人間的)困難があるのではないかと、私は案じている。」
  • 不実な美女か 貞淑な醜女か/米原万里/新潮文庫/「コトバを禁じても、そのコトバによって表現された概念を禁ずることは、不可能であるということに尽きる。」
  • 銃・病原菌・鉄/ジャレド・ダイアモンド/倉骨彰 訳/草思社/「首長社会であろうと国家であろうと、階級社会において、労働の産物が上流階級に渡ってしまうことを平民たちに我慢させる理由は何であろうか。」

11月

  • 月光の東/宮本輝/中公文庫/「生きるということは、自分を肯定するところから始まるのかもしれない。」
  • 合州国崩壊/トム・クランシー/新潮文庫/「人間は自慢したくなるのがふつうです。われわれ人間は自分がいかに賢いか自慢したくなって秘密を洩らしたがるのです。」
  • /竹内まりや/「♪今になってあなたの気持ち はじめてわかるの 痛いほど わたしだけ愛してたことも」
  • 日本経済新聞11月22日社説 混乱で露呈した政治指導者の資質」/「政治家の資質という意味では、与党がだめで野党のほうが優れているとは言い難い。もとより森首相の資質にも問題があるが、もはや個体差よりも有能なる政治家が登場しにくくなっているシステムそのものが問題なのである。」
  • 血脈の火/宮本輝/新潮文庫/「俺は伸仁に、いかなる使命があるのか、どんな才能があるのか、いまのところはまだわからない。けれども、何か人のためになる仕事を為す人間に成長してもらいたいのだ。慈愛の深い人間になってもらいたいのだ。その慈愛を、具体的な形として他の人たちに供与できる人間になってもらいたいのだ。」
  • 地の星/宮本輝/新潮文庫/「『インテリは、他人のことに無関心なやつが多い。』」
  • 流転の海/宮本輝/新潮文庫/「人間を戦争に向かわしめる根源の欲望とはいったい何であろう。民衆はなぜ無力なのであろう。なぜ戦争遂行者の言いなりにならざるを得ず、しかも銃を握った瞬間、平凡な心優しい男たちが残忍な殺人者と化すのであろう。」
  • ガープの世界/ジョン・アーヴィング/筒井正明訳 /新潮文庫/「『なにかを想像することはなにかを記憶することよりもすぐれている。』」

10月

  • 逃亡/帚木蓬生/新潮文庫/「戦争に負けても勝っても、戦死はつまるところ死に損なのだ。その事実を覆い隠すために、さまざまな儀式が存在する。」
  • すいか匂い/江國香織/新潮文庫/「鳴き声というのは建物に浸透してしまうものなのだろうか。」
  • ホテル・ニューハンプシャー/ジョン・アーヴィング/中野圭二訳/新潮文庫/「ボブ・コーチは最初からそれを知っていた。取り憑かれなければいけないし、しかもそれを持続しなくてはいけないと。開いた窓の前で立ち止まってはいけないのだ。」

9月

  • ハリー・ポッターと秘密の部屋/J.K.ローリング/松岡佑子訳/静山社/「『ハリー、自分がほんとうに何者かを示すのは、持っている能力ではなく、自分がどのような選択をするかということなんじゃよ。』」
  • ハリー・ポッターと賢者の石/J.K.ローリング/松岡佑子訳/静山社/「『目に見える印ではない……それほどまでに深く愛を注いだということが、たとえ愛したその人がいなくなっても、永久に愛されたものを守る力になるのじゃ。』」

8月

  • 仮面の国/柳美里/新潮文庫/「私は朝鮮人慰安婦問題は他国の女性を自国軍の慰安婦にしたという事実に尽き、強制連行か商行為だったかなどという論議は無意味だと考えている。」
  • ターン/北村薫/新潮文庫/「その時、わたしは、泉さんという、性の違う人間に抱き締められたいという、焼けつくような欲求を感じた。太陽のもとでもいい。それは、実に自然な欲望だった。『でも、あなたが、ずっと、こちらに来てしまうことが、本当の幸せだとは思えません。だって、それで、お互いに高め合うことが出来るでしょうか』」

7月

  • 沖縄、基地なき島への道標/大田昌秀/集英社新書/「『ヘリポート案については、不運にも、それを建設する論理の大部分は、軍の運用や即応性に関係せず、むしろ国防総省や日本政府を動かしているのは、財政やビジネスのようだ』」
  • これからの生命保険/安井信夫 /中公新書/「今日保険をばくちと混同する人はいない。パチンコをしている人を、「保険をしている」とは絶対にいわない。だがその昔、生命保険はばくちの一種として禁止されたぐらいだから、似ているところがある。」
  • 沖縄の旅・アブチラガマと轟の壕 − 国内が戦場になったとき /石原昌家/集英社新書/「私は、このとき友軍(日本軍)ってこんなむごいことをするんだね、自分たちが黒砂糖を食べたところでせいぜい少しだのに、あんな子どもの黒砂糖を取り上げて撃ち殺すなんて、友軍ってこんなものだったのかと思いました。」
  • 十一番目の戒律/ジェフリー・アーチャー /新潮文庫/「『わたしは彼が命を投げ出して救った男を知っている。わたしもああいう友達が欲しいものだ。』」
  • コロンブスの呪縛を解け/クライブ・カッスラー&ポール・ケンプレコス/新潮文庫/「『生きるとは学ぶことなりさ、君。』」

6月

  • 再生の朝/乃南アサ/新潮文庫/「一度勢いのついてしまった集団は、頭が冷えるまで放っておくより他にないことを、涼子は誰よりもよく承知していた。」(6/1/2000)

5月

  • ヒトラーの防具/帚木蓬生 /新潮文庫/「困難な時代のなかで、普通の人間として生きていく。時代が困難であるほど、普通の人間の行為が輝いて見える。」(5/30/2000)
  • 日本の危機/櫻井よしこ/新潮文庫/「報道の責任のひとつは、社会の変化を察知して警鐘を鳴らすことである。予定調和の範疇におさまらず先駆的に問題を切り出していく中にこそ、ジャーナリズムの存在意義がある。」(5/24/2000)
  • ブレードランナー2 −レプリカントの墓標−/K.W.ジーター、浅倉久志訳/ハヤカワ文庫/「死者を愛し、あとに残された小さな断片や記憶さえをも愛する ----それが人間の定義だろうか。」(5/22/2000)
  • 「脳死」と臓器移植/梅原猛[編] /朝日文庫/「脳死の診断基準が日本ではいろいろと提出されて一致を見ないのも、日本の医療社会の風土が、科学的でないからである。(中川米造)」(5/21/2000)
  • ソロモンの指輪/コンラート・ローレンツ、日高敏隆訳/ハヤカワ文庫/「いわゆるあまりに人間的なものは、ほとんどつねに、前人間的なものであり、したがってわれわれにも高等動物にも共通に存在するものだ、ということを理解してもらいたい。」(5/19/2000)
  • 順列都市/グレッグ・イーガン、山岸真訳/ハヤカワ文庫/「わたしたちは絶対因果関係を追放すべきなんだ!」(5/15/2000)
  • ノーザンライツ/星野道夫 /新潮文庫/「が、私たちが日々関わる身近な自然の大切さとともに、なかなか見ることの出来ない、きっと一生行くことが出来ない遠い自然の大切さを思うのだ。そこにまだ残っているいうことだけで心を豊かにさせる、私たちの想像力と関係がある意識の中の内なる自然である。」(5/9/2000)
  • イニュニック[生命]/星野道夫/新潮文庫/「一人の人間が森の一生を見届けることはできない。森を見つめるとは、生態学というより、考古学に近いものなのかもしれない。」(5/7/2000)
  • 欲望/小池真理子/新潮文庫/「無駄な教養は時として、人をねじれさせる。」(5/3/2000)
  • ゆび/柴田よしき/祥伝社文庫/「『禁止されていることをあえてする、それをしたら絶対にダメだと言われていることをするというのは、大変な興奮を伴うことなのに違いない。』」(5/1/2000)

4月

  • 警告/パトリシア・コーンウェル、相原真理子訳 /講談社文庫/「憎しみは有害だ。人を憎まないように、つねに自分をいましめてきた。憎むことは負けることだ。」(4/30/2000)
  • 何もなくて豊かな島/崎山克彦 /新潮文庫/「この数百年を支配してきた自然を排した技術物質至上主義が、今、行き詰まっている。そうでない文化がたくさんあることを知って欲しい。」(4/29/2000)
  • 奪取/真保裕一/講談社文庫/「『今の日本で買えないものがあるとすりゃぁ、それはおまえ − 愛、だけだよ、愛』」(4/26/2000)
  • 科学事件/柴田鉄治/岩波新書/「薬害エイズ事件ではじめておこなわれた厚生省の刑事責任追求は、それも官僚個人の過失というところまで踏み込んでの責任追求は、画期的な出来事だといえよう。」/(4/24/2000)
  • ニュートンの林檎/辻仁成 /集英社文庫/「『真実なんかを捕まえようとしては駄目。真実はいつもピーターパンが追いかけたネバーランドのように心の中で放し飼いにしておくべきものなのよ。』」/(4/22/2000)
  • ハンニバル/>トマス・ハリス、高見浩訳/新潮文庫/「『いいえ。レクター博士は仮説には関心を持っとりません。"三段論法"も、哲学的な"総合"も、いかなる意味での"絶対"も、信じとらんのです、博士は』『じゃぁ、何を信じているの、彼は?』『混沌、でしょう。しかし、これは敢えて信じ込む必要はない。われわれの周囲に歴然と存在しているわけですから』」}/(4/18/2000)
  • 悪意/東野圭吾/講談社ノベルス/「いじめには決して終りがない。当事者が同じ学校にいるかぎり続くのです。」/(4/12/2000)
  • 脳のなかの幽霊/V.S.ラマチャンドラン、サンドラ・ブレイクスリー、山下篤子訳 /角川書店/「人は自分の「実在性」を情報の断片からつくりだしている。人が「見る」ものは、周囲の世界に存在する事物の信頼できる表象であるが、必ずしも正確ではない。」/(4/10/2000)
  • 私は臓器を提供しない/近藤誠 他/洋泉社/「まず現行の広く世間に配布されているドナーカードはあまりにも簡便であり、少なくとも「臓器提供」という重要な意志表明の手段としては信頼性に乏しい。(「文化としての死の解体と人間解体を招く<脳死・臓器移植>/阿部知子」)」/(4/5/2000)
  • 山妣/坂東眞砂子/新潮文庫/「もし、ここに掟のようなものがあるとすれば、自然の作った掟だけだ。自然の掟は、人にも獣にも草木にも、何にだって公平だ。ここは人の掟の及ばない世界なのだ。」/(4/2/2000)

3月

  • 臓器農場/帚木蓬生/新潮文庫/「『いのちは脳にあるのではなく、全体にあるのです。考えることや感じることはできなくても、いのちはあります』」/(3/25/2000)
  • グラスウールの城/辻仁成 /新潮文庫/「『… 自然界には神からのメッセージが溢れていると思わないか。犬や鳥等の動物たちはもっと高周波を聞き取ることができるだろう。風の音のような低周波の中にだって、神からの信号が隠されているような気がする。人間は脳が発達したことで地球上で最も知的な動物であるという傲りがある。でも、実際は違うんじゃないか? 僕らだけが神の声を聞くことのできない落ちこぼれなんじゃないか。』」/(3/21/2000)
  • 賞の柩/帚木蓬生/「?研究は才能ではない。粘りだよ。 データが出ずにしょげ返る津田を、彼はそうやって励ました。才能は二の次だという清原教授の意見は、多分に凡人を勇気づけるための方便だ。教授の仕事振りをみていると、そもそも粘り自体が才能なのだ。」/(3/19/2000)
  • ボランティア もうひとつの情報社会/ 金子郁容/岩波新書/「『障害者が他の人間の手助けを他の人より余計に必要とするからといって、彼または彼女が他の人以上に依存的であるとは限らない。人の助けを借りて15分かかって衣服を着て仕事に出かけられる人は、自分で服を着るのに二時間かかるために家にいるほかない人よりも自立しているといえる。』(Garben Dejong, "Independent Living: From Social Movement to Analytical Paradigm", Archives of Physical and Medical Rehabilitaiton, V, 60, 1979よりの引用)」/(3/16/2000)
  • そこに僕はいた/辻仁成 /新潮文庫/「僕には僕の時間が流れているように、キャサリンにはキャサリンの時間が流れていたのだ。川の中に手を入れてみると違った流れが存在するように、世の中という川底にもまた様々な流れが存在しているのである。確かに僕はあのときあそこにいたのである。」/(3/12/2000)
  • 凍える牙/乃南アサ/新潮文庫/「それにしても、射すくめられるような目だ。誇りの高さ、嘘や裏切りを許さない厳しさ、そして、孤独感。あまりにも静かな、遠い眼差し。」/(3/10/2000)
  • 海峡の光/辻仁成/新潮文庫/「『俺らは暫くお務めしたらあそこから出られるけどもさ、おやっさんたちは大変ですよね、一生あそこから出られないんすからねぇ』」/(3/6/2000)
  • 赤頭巾ちゃん気をつけて/庄司薫/中公文庫/「そして、それと同時にぼくがしみじみと感じたのは、知性というものは、ただ自分だけではなく他の人たちをも自由にのびやかに豊かにするようなものだというようなことだった。」/(3/2/2000)
  • 水の眠り 灰の夢/桐野夏生 /文春文庫/「『可愛いお子さんですね。名前は何というのですか』『ミロです』」/(3/1/2000)

2月

  • 「雨の木」を聴く女たち/大江健三郎/新潮文庫/「「雨の木」というのは、夜なかに驟雨があると、翌日は昼すぎまでその茂りの全体から滴をしたたらせて、雨を降らせるようだから。他の木はすぐ乾いてしまうのに、指の腹くらいの小さな葉をびっしりとつけているので、その葉に水滴をためこんでいられるのよ。頭がいい木でしょう。」/(2/29/2000)
  • 奇跡の人/真保裕一/新潮文庫/「『本当にその人のことを考えていたら、いつも優しくするだけじゃいけない、それは私も頭では理解していたつもりだった。でも、それを心から理解して、相手を信頼し、自分も同じようにするには、とても強く自分を持っている人じゃないと難しいと思う。私は弱い人間だったから、ついグチをこぼしたり、弱音を吐いたりしたくなる時があった。』」/(2/20/2000)
  • 6月19日の花嫁/乃南アサ /新潮文庫/「時間の感覚が分からなくなりそうだった。なんと長い道程だったかとも思う。しかし、一瞬のうちにここまで来てしまったような気もした。」/(2/18/2000)
  • 女たちのジハ−ド/篠田節子 /集英社文庫/「結婚するなら学者より医者だ。」/(2/15/2000)
  • クリニック/ジョナサン・ケラーマン/新潮文庫/「『でも、現実を直視しないとね − ほかのなにかでしのげるんだったら、わざわざ時間をかけて真の技術をみがこうとしない女もいるのよ』」/(2/9/2000)
  • 卒業 SIZE(80%{雪月花殺人ゲーム} /東野圭吾/講談社文庫/「『卒業まで…か』加賀はため息をついた。『まるで何かいいことでもあるみたいに思ってるんだな。卒業したら過去が消えるとでも考えているのかい?』」/(2/1/2000)

1月

  • 変身/東野圭吾/講談社文庫/「生きているというのは、単に呼吸しているとか、心臓が動いているとかってことじゃない。脳波が出てるってことでもない。それは足跡を残すってことなんだ。後ろにある足跡を見て、たしかに自分がつけたものだとわかるのが、生きているということなんだ。」/(1/31/2000)
  • 流しのしたの骨/江國香織 /新潮文庫/「時間は、こういう場所ではきまってとろとろと眠たげに、お湯がわくようにしずかに流れる。」/(1/27/2000)
  • 亡国のイージス/>福井晴敏/講談社/「『日本人を、なめるなっ…!』」/(1/25/2000)}
  • 少女達がいた街/柴田よしき /角川文庫/「『どうしてだ? 合格点が取れなけりゃ単位はやらない、それだけのことだろ。化学の単位なんて取れなくたって人生には大した影響はないさ』」/(1/22/2000)
  • 聖母の深き淵/柴田よしき /角川文庫/「あたしの幸せはとても利己的な、あたし自身の中心に向かって総てを落とし込んでしまうような幸せなのよ。誰かを幸福にするとか、誰かの為に役に立つとか、そうした、外に向かって開かれた幸福じゃない。あたしの姿を見て不愉快に思う人だっているんだわ。あたしが満足した顔をすればするほど、腹立たしく感じる人が、きっといる。」/(1/21/2000)
  • RIKO -女神の永遠-/柴田よしき/角川文庫/「義久の声が受話器から流れた。だが、緑子はその声を聞かなかった。緑子は、受話器をお腹に当てていた。」/(1/20/2000)
  • なつのひかり/江國香織 /集英社文庫/「私は、日陰のない道を歩くのが好きだ。あかるすぎて、時間がとまっているように見える。白っぽい風景はめらめらと温度をあげ、街の音をどこかに閉じ込めてしまう。」/(1/19/2000)
  • 天使に見捨てられた夜/桐野夏生/講談社文庫/「『女は都合が悪いとすぐにわからない、と言うんだ。意地が悪いようだけど、はっきり言うよ。俺は、そういう女たちから自由になるために、神様が同性愛にしてくれたんじゃないかと思うことがある』」/(1/18/2000)
  • 十三番目の人格 -ISOLA-/貴志祐介/角川ホラー文庫/「唯一、感情だけが、暗い海のような無意識の中で眠っている心のエネルギーを解き放つことができる。強度の感情的ストレスにさらされた人間では、この力が内攻し、わずか数秒で胃壁に穴が開くこともあるのだ。」/(1/14/2000)
  • 顔に降りかかる雨/桐野夏生 /講談社文庫/「『自分に罰を与えるために死ぬ人は少ない。彼は、あなたに罰を与えるために死んだのでしょう?』」/(1/13/2000)
  • 深い河/遠藤周作/講談社/「河は相変わらず黙々と流れている。河は、やがて灰となって自分のなかにまき散らされる遺体にも、頭を抱くようにして身じろがぬ遺族の男たちにも無関心だった。ここでは死が自然の一つであることが顕然として感じられるのだった。」/(1/11/2000)
  • 球形の季節/恩田陸/新潮文庫/「それは、夏休みの朝に山鳩の声を聞くと感じる気持ちに似ている。あの地面を這うように響いてくる不思議な声を聞くと、世界の営みや世界の中心といったものが自分のあずかり知らぬ遠いところにあって、自分は永久にそこにたどりつけないのだという虚無感に襲われたものだ。」/(1/8/2000)
  • Red Rain/柴田よしき /ハルキ文庫/「人を欲しいと思う気持ち。人に触れたいと切実に願う気持ち。人であることの、いちばん底に流れるこの気持ち。何と心地よく、甘く、愛しい。」/(1/6/2000)
  • 最後の花時計/遠藤周作/文春文庫/「私は世界のなかが外見、平和で贅沢になればなるほど、人間の最もすさんだ、暗いものが露出するのだと思っている。」/(1/4/2000)
  • 座談会「大学の物理教育を考える」/日本物理学会誌2000vol.50No.1/「『知的な探求というのは文系、理系に関係なくやるものですね。そういうのに対して、やはり物理というのは一番の基本的な考え方を提供するという意味で非常に責任があると思うんです。(波多野彰氏)』」/(1/1/2000)

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