[[研究]]
 
 #ref(www2.phys.cs.is.nagoya-u.ac.jp/~tokita/Papers/Figures/DiversityN256I1S50ai.xmgr.gif,RIGHT,nolink,around,Diversity dynamics of replicator dynamics with random interactions.)
 #ref(http://www2.phys.cs.is.nagoya-u.ac.jp/~tokita/Papers/Figures/DiversityN256I1S50ai.xmgr.gif,RIGHT,nolink,around,Diversity dynamics of replicator dynamics with random interactions.)
 
 1960年代までの生態学においては、生態系の複雑さ(種数の多さや種間相互作用の複雑さ)が系の安定性に寄与していると考えられていましたが、1970年代にGardnerとAshby(1970)、May(1972)らが[[ランダム群集モデル]]を用いて全く逆の結論を導いたため、それ以降、「複雑さと安定性の相反関係」は「生態学のパラドックス」として知られるようになり、多くの生態系において実際に実現されている安定性の起源について様々な研究が行われてきました.わたしたちは上記の古典的な研究を大域的な動力学の観点から再考しました.一般に種間相互作用が全て無相関な「[[非対称ランダム行列>ランダム群集モデル#a882ef27]]」の場合、種間相互作用の強さが種内競争よりも大きいときには、初期状態としてどんなに大きな群集があっても、大絶滅を経て小さなごく少数種からなる群集へと収束することを、スーパーコンピューターを用いたシミュレーションにより示しました(Tokita and Yasutomi, 1999).現在も、自然が進化の結果作り上げたランダムではない特別な構造・性質をもつ種間関係の探索が多くの研究者によって続けられています.わたしたちは、[[食物網]]に対応する「[[反対称ランダム行列>ランダム群集モデル#a882ef27]]」をもつレプリケーター方程式が、任意の種数の共存解をもつことを理論的に示しました(Chawanya and Tokita, 2002).この結果を発展させ、自然界に普遍的に観察される捕食・被食関係と生態系の安定性、さらには、[[種の豊富さのパターン]]との関係についても考察を続けています.
 
 
 右図:ランダム群集モデルにおける絶滅のダイナミクス.[[ランダム種間相互作用>ランダム群集モデル#a882ef27]]が非対称(Asymmetric:Gardner&AshbyやMayが考察した完全無相関な種間関係)と対称(Symmetric:相利共生か競争関係)行列の場合には、初期状態の256種から種数がオーダー1に急激に減少しますが、反対称行列(Antisymmetric:捕食・被食関係)の場合には半分の128種が共存する状態へと収束します.このことから,食物網型のランダム群集モデルだけが任意の種数の多種共存解を持つことがわかります.
 
 
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 参考
 -Gardner, M.R. and Ashby, W.R., '''Nature''' ''228'' (1970) 784
 -May, R., '''Nature''' ''238'' (1972) 413-414
 -[[Tokita, K. and Yasutomi, A., '''Phys. Rev. E''' ''60'' (1999) 842-847>TY_PRE_1999]]
 -[[Chawanya, T. and Tokita, K., '''J. Phys. Soc. Jpn.''' ''71'' (2002) 429-431>CT_JPSJ_2002]]
 
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