[[研究]]

#ref(http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~tokita/Papers/Figures/TokitaYasutomiFig9a.gif,RIGHT,nolink,around,Genealogical tree of community assembly model)

 比較的時間スケールの短い大陸から島への移入の問題を扱う「島の生物地誌学」や、突然変異や絶滅を考慮した,進化的な長時間スケールでの群集形成(Community Assembly)のモデルを調べています.

 右図は、中立的な表現型突然変異により進化した大規模群集に見られる系統樹です.横軸は突然変異の頻度でスケールした時刻、縦軸は世代(仮想的な分化の方向)を示しています.形質が長時間に渡って変化しない系統は横軸方向に伸び、形質が世代間で頻繁に置き換わって行く系統は縦軸方向に伸びます.赤色の系統樹は時刻5万で生き残っていた種全ての系統を遡って描いたもので、緑色のものは時刻10万で生き残っていた種のものです.1種から始めた直後に2つの系統に別れ、10万時刻で生き残った種は、その2系統のそれぞれに属する1種を祖先として分化したことが見てとれます.つまり,進化的な長時間スケールで見た場合,ほとんどの種は絶滅し,ある時点で群集を形成する種は系統的にごく少数の祖先種から分化しています.これは,多様性の進化が,古典的に指摘されてきたような漸進的かつ一様に枝分かれする樹状ではなく,バージェス動物群などに見られる本質的な「異質性」の増大とS.J.Gouldが指摘したdecimation(「非運多数死」)の繰り返しであるという見方をサポートするものであると考えられます.

参考
-[[Tokita, K. and Yasutomi, Y., '''Theoretical Population Biology''', ''63'' (2003) 131-146>TY_TPB_2003]]
- S.J.グールド/渡辺正隆 訳, ワンダフル・ライフ, 早川書房, 1993年


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