研究室選びのポイント

大学院での「研究室選び」は、実は「研究テーマ選び」よりも重要な問題です*1.研究室の選択に関して、個人的に共感できる文章を以下にあげておきます.

ただし,時田個人は上記の先生方ほどスタンダードが高くないので,研究を楽しめる人,何か謎を見つけてそれを解明することに喜びを見いだせる人ならどなたでも歓迎したいと思っています.

私がしばしば強調するポイントは、

  • 必ず事前に研究室を訪問すること.
  • 教員とよく話をして、自分の性格にあった人物かどうかを見極めること.規模は小さくても、研究室は一つの社会的共同体です.研究の指向性とともに(ときにはそれ以上に)、「気が合う」かどうかは極めて重要なファクターとなります.こういうことは巷の「大学院案内」などには全く書かれていませんが、大学教授にもいろいろな性格・品性の持ち主がいることは認識しておくべきです.最近、大学における様々なハラスメントが問題になっていますが、これはそういったものが最近増えてきたというわけではなく、昔は闇に葬られていたものが顕在化するようになっただけだと考えられます.「何かを学ぶこと」は本来プライベートな問題であり、他人のアドバイスが自分にも有効である保証はありません.しかし、「気が合う」教師がその経験に基づいて施すアドバイスは、自分にもより有効なことが多いのではないでしょうか。周辺を見渡してみても成功している人は大学院時代教員と気が合って共同研究が盛り上がった人が多いように感じます。
  • 研究室訪問の際には、教員だけでなく、むしろ大学院生と話をすること.人手の数に比例して業績や研究費が増える分野の教員は「どんな院生でもいないよりマシ」と考えているので、研究室に関してネガティブなことは絶対に口にしません。大学院生が極端に少ない研究室、逆に極端に多い研究室、大学院生が生き生きとした顔をしていない研究室には、それなりの理由があります.大学院生が本音を語ってくれない場合もあるので、場合によっては隣の研究室の大学院生に「実情」を尋ねるのもよいでしょう.
  • 別の大学院に進学することを「負い目」と感じないこと.様々な理由により、教員にとっては、大学院生の存在にはメリットがあるので、あの手この手で大学院生を囲い込もうとするかも知れません.しかし、大学院選択の自由は学生の最も重要な権利の一つです.欧米では、学部時代とは異なる大学の大学院に進学することはむしろ一般的であり、その流動性が、大学間の競争を生み、教育・研究環境の質的・量的向上に大きく寄与しています.

私の考え方

時田個人は4年生が他大学大学院に進学することを奨励しています.また、他大学からの進学者も歓迎しています.これまで在籍した学生の多くが他大学からの進学者でした.他大学から進学してきて博士を取得し、今も研究者として活躍している人がいます.逆に4年生で当研究室のゼミを選択して、他の大学の大学院に進学した人も少なくありません.「そのようなことがしたいのならこの大学のこの研究室がよい」とアドバイスして他大学に進学したOBの人々の中にも現在も研究者として活躍している人たちがいます.「阪大出身者は優秀だ」と褒められて大変うれしい思いをしたこともあります.このように自分の研究室だけでなく、大学院から他大学に移って育った若い方々との研究交流を通じて、逆に教えられることが増えてきました.私はこのような形で自分の関わる研究分野が総体として活性化することに喜びを見いだしています.


研究室OBの研究テーマ

修士論文

  • 2016年度
    • 日當泰輔, 「TAP平均場アルゴリズムを用いた協調フィルタリング型制限ボルツマンマシン学習」(統計力学,ニューラルネットワーク,人工知能)

卒業論文

  • 2016年度
    • 北川健太, 「ニューラルネットワークを用いた自動採譜システムの構築と有効性の検証」(ニューラルネットワーク,人工知能)
    • 宮田佳奈, 「アメリカ大統領選挙の解析とVoterモデルのシミュレーション」(社会物理学,統計力学)
  • 2015年度
    • 荒井貴光,「2部グラフ構造を持つ連想記憶モデルによる並列想起」(統計力学,ニューラルネットワーク,人工知能)

阪大時代

  • 大浦健志(2016阪大B,2009M)
  • 杉浦正康(阪大B,M,2011D)
  • 吉野好美(早大M->阪大D->東大PD)

研究者OB(大阪大学阿久津研、菊地研、〜2013)

  • 斎藤稔(阪大D->東大PD)
  • 高城史子(阪大サイバーPD->東大PD)
  • 下山紘充(阪大D, 理物/サイバー->阪大PD->北里大・助教)
  • 検崎博生(阪大D, 理物/サイバー->名大PD->京大PD->理研研究員)
  • 勝木 厚成(阪大D,理物/サイバー->東大PD->日大・理工学部・助教)
  • 佐々木志剛(阪大サイバーPD->東大PD->東北大工・助教->神奈川大学工学部・准教授)
  • 前島 展也(阪大D,理物阿久津G->阪大サイバーPD->分子科学研究所PD->筑波大・助教->筑波大・講師)
  • 立川正志(阪大B,理物・阿久津・菊池G->名大D->東大PD->理研研究員)
  • 石原秀至(阪大B,理物・阿久津・菊池G->東大D->東大PD->基生研PD->東大・助教->明治大学理工学部・准教授)
  • 巽理恵(阪大D,理物・阿久津・菊池G->産総研PD->神戸大PD->Washington Univ.)
  • 千見寺浄慈(阪大D,理物・阿久津・菊池G->神戸大PD->名大工・助教)
  • 湯川諭(阪大D,理物・阿久津・菊池G->東大工・助手->阪大宇宙地球・准教授)

*1 研究テーマはいつでも変えられますし,一生のうちにどんどん変わってもいきますが,研究室を中途半端な形で変えることには大きなコストがかかるからです.

© Copyright 2013 Kei Tokita, Powered by Pukiwiki.  Last-modified: Fri, 31 Mar 2017 07:00:20 JST (599d)   リロード   新規 編集 凍結 差分 添付 複製 改名   トップ 一覧 検索 最終更新 バックアップ   ヘルプ   最終更新のRSS